クラウドファンディング

クラウドファンディング
      中小企業診断士 村松直人


1.クラウドファンディングとは


クラウドファンディングとは、ビジネスに必要な資金を少額ずつ多数の人から調達する手段のことである。ビジネスモデルは、(1)プロジェクトを発案した「事業者」が、そのプロジェクトに共感した個人の「出資者」から資金を調達する。(2)「事業者」は「出資者」に見返りとして物品、サービスもしくは金銭を渡す。(3)「サービス提供者」がこれら取引の仲介を行い、対価として出資金から手数料を受け取る、というものである。

一例を挙げると、ビルの屋上に畑を作りオーガニック食材を生産販売するプロジェクト”Brooklyn Grange Rooftop Farm”は、土壌や機材の調達のために、Kickstarterというクラウドファンディングサービスを用いて、目標金額2万ドルの資金調達を行った。その結果、このプロジェクトへ賛同する391人の出資者から2万3227ドルの出資を得た。出資者に対する見返りは10ドルから1000ドルまでの間で6種類設定された出資額に応じて、農作物やグッズ、ワークショップやパーティーへの招待等が用意された。

このようにクラウドファンディングは、事業者が事業内容を一般に公開しそれに個人が出資するものであり、成立には一般個人にいかに事業に共感してもらえるかが前提となる。加えて、サービス提供者がクラウドファンディングサービスを普及させるには、「寄付の文化の浸透」「信頼できるコミュニケーション手段の確立」「少額決済手段の確保」が要件となる。


2.代表的なサービス提供者

【海外】
Kickstater
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RocketHub
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IndieGoGo
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【国内】
CAMPFIRE
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ReadyFor
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3.メリット・デメリット

クラウドファンディングを通じて資金調達するメリットはいくつか考えられるが、最も大きいのは、事業アイデアの妥当性を開始前に検証できることである。出資者の多寡は、事業に共感する潜在的顧客の規模と特性を推測するデータとなる。また出資者から要望を直接聞くことができるため、有用なリサーチ情報を得ることができる。そして出資者とのメッセージ交換を、SNS等を用いて一定程度公開することにより、クチコミの誘発も期待できる。

 一方デメリットは、事業アイデアを一般に公開するので盗用の懸念があること、結果が短期的に見える事業に偏りやすいこと等が挙げられる。加えて、大半の事業者やサービス提供者の規模が小さいので、普及に際してはまずサービス提供者の信用度向上が求められるであろう。また、大半のサービス提供者は、金銭や物品の仲介をする機能しか持たず、事業の成功確率を上げるコンサルティング的な機能を持っているところは見られない。


4.国内でも2011年内より普及し始めると期待される。

 クラウドファンディングの普及に必要な要件は、先に述べたとおり、「寄付の文化の浸透」「信頼できるコミュニケーション手段の確立」「少額決済手段の確保」である。
クラウドファンディングで先行している米国に比べて、日本では寄付の文化はあまり浸透していないと言われる。しかし、東日本大震災では過去に例を見ない義援金が寄せられている。奇しくもこの災害が日本にも寄付の文化が更に根付く契機となっていくかもしれない。またFacebookに代表される実名型のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)利用者数は、日本においても2010年以降大きく伸びている。これはオンライン上のコミュニケーションの信頼性をある程度向上させるだろう。少額決済の手段はオンラインショッピング等で、既に一定以上普及浸透していると考えられる。

 この状況を踏まえると、クラウドファンディングは国内でも2011年内より普及し始めると期待される。


  • 最終更新:2011-07-31 15:13:57

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